2023-07-21 Fri.

なんか無意味に早く目が覚めてしまって、寝不足だなと思いながら捗らない仕事をした。

業務連絡でインボイス制度に関する話題があった。誰が幸せになっているのかわからない。

もともと消費税の申告をしなくてよいのは年間の売上高が1,000万円以下の個人事業主だけだったと思う。私がフリーランス稼業で小遣い稼ぎをしていた頃はそれに当てはまり、まあ元から消費税を請求しないことが多かったのだが、別にしてもなんの問題もなかったわけである。

それを益税だとかなんとか騒ぎ立てる人がいる。インボイスでそれをなくせと。私は税制の実際のところはよくわからない。だけれども、多くの個人事業主にとっては手間が増えるか利益が減るかその両方で、良い制度ではないと理解している。私には他人が得をしていることが許せない感覚がよくわからない。あなたが損をしているわけではないのに。

私の拙い理解では、インボイスを利用しない個人事業主に発注すると、会社は仕入税額控除ができず損である。業界が業界なので、個人事業主に何かをお願いすることがよくある。そこで私は会社員として、会社によって対応も異なるだろうから詳しいことは言えないが、取引先がインボイス制度に組み入れられるよう、発注元という強い立場で、陰に圧力をかけるわけである。かけるつもりがなくてもきっとそうなる。そんなことをしたい編集者はいないと思う。私はかつてフリーランスの立場であったので、金額面の交渉などに立ち会うたびに、ただでさえやるせない気持ちになるのだが。

早めに仕事を始めたので早めに上がり、一眠りした。目覚めるとちょうど知人の仕事が終わったというので、お茶でもと誘った。紆余曲折あって、ニュー新橋ビルの地下のざっかけない居酒屋に行き、サラリーマンたちを観察しながら煙草を吸って話した。

店内は混み合っていたが、時間が経つにつれて一組また一組と席を立ち、空いてきた。私らもこの辺で出ることにして会計をお願いしたら、せせりの串2本を頼んだが来ておらず、しかし勘定に含まれていた。せせり来てないです、と言うと中国人と思しき店員さんたちはごめんなさいねと明るく謝ってすぐに訂正してくれた。

とはいえせせり2本なんて安いので、新しい伝票を受け取りながら「ありがとうございます、そんな変わってないけど」と言ったら「300円くらいね」と笑っていた。私はそれがなんだかいいなと思った。

ちょっと歩こうとなって、適当に新橋の街を散歩した。烏森神社を通りかかったのでとりあえずお詣りし、このまえ新橋のビルで爆発があったのだが、その野次馬をした。思ったよりしっかり爆発しててすごかった。怪我をされた人もいるし、そのテナントや周りのテナントもしばらく営業できないし、散々だっただろうと思うが、まあでも人が死んだわけではないからな、と思った。誰か死者が出ていたら写真を撮ったりはしなかったと思う。怪我や賠償の関係などで死にたいくらい辛い目に遭っている方もいるかもしれないが……。

とはいえ本当にただの野次馬なので、『ノルウェイの森』の火事を眺めるシーンみたいな気持ちになっていた。あの火事と同様、まあ人は死んでいないし、というような。爆発してるなあすごい、くらいのものだ。愛宕警察署と書かれたカラーコーンや、警視庁の立ち入り禁止テープでビルは入れないようになっていた。