2024-03-20

暦の上では春分であり世間では桜もそろそろ咲き始めようという感じらしいが、春めいた陽気とはまだまだ言いがたい。私が満足する程度の温暖さというのは実際5月くらいまでやってこない。

最近は仕事もまったく捗らず(私がまったくと言ったら文字通りまったくという意味である)、家では何をするでもなく寝てばかりいて同居人の顰蹙を買っている。今日などは街を歩きながら会社を辞めることばかり考えており、終業後に会った友人からの麻雀の誘いにも魅力を感じられず、売るほどあった性欲も生じにくく、ただでさえ少食だったところ先週インフルエンザに罹患して以来本当に食べられなくなり、なるほどこれは多分ちょっとしたうつ状態なのだろうと思い至った。

思い返せば感染症が流行し自宅に引きこもらざるを得なくなったときや会社に入ったときもしばらくするとこのような無気力に陥っていた。今回は転居を伴う同棲の開始と業務上の役割の変化が原因である気がする。時間が解決してくれる種類のものとは思うが、その間もどうにかやり過ごさねばならない。このブログも、突発的な感情の昂ぶりによって投稿した前回を除けば数ヶ月ぶりの投稿であり、文章が書けるようになったことは若干の回復の兆しと考えてもよいと思う。

会社を辞めたとして何がしたいか考えていたのだが、職場以外で仕事のことを考えなくてよい職業が望ましい。いまの仕事は考えようと思えば四六時中それについて考えることができ、またそうせざるを得ないような感覚もある。これは仕事が楽しいときは別によいのだが、いまのように消耗しているときはなかなか厳しいものがある。沖仲仕のような単純な肉体労働に憧れる。海の見える港町に独居し、肉体労働で日銭を稼ぎ、それを煙草やコーヒーに使い、図書館や古書店で入手した本を読みながら、心地よい疲労感を覚えて寝る。そのような生活に憧れるが、憧れるだけでなく実際にそれをすることもできる(私の乏しい体力の問題を考えなければ)。

何はともあれ、もう少し暖かくなってくれないと困る。それに尽きる。新しい土地での新しい生活——実際には、比較的見知った土地での新しい生活——に伴って思っていることはたくさんあるはずなのだが、それを書き留めておくだけの気力と時間と表現がいまの私にはない。