ぬるりと新年度

明日から四月。新年度だが、いまひとつその感覚が薄い。休みがないからだと思う。これまで新年度といえば必ず数週間程度の休み明けで、断絶があったわけだが、それに比べると随分ぬるりと新年度が滑り込んでくるような感じがする。

私は明日(しかし明日は土曜なので実質的には来週の月曜に)異動するのでまだいくらか代わり映えがあるが、世間の多くの人は別に新年度だからといって何かが変わるようなこともないのだろう。

今までは校閲で修行を積んでいたのだが、それを終えて編集部に移る。本の編集者になるというのは自分にとっては望ましいことだが、部署も移るし気合いを入れてやるぞ! とかそうしたマッチョなことはまったく考えられないくらい今週むやみに眠い。基本的に寝付きが極めて悪いのだが、近頃は夜もすぐ眠ってしまうし、それで十分な睡眠時間をとっても、昼間も仕事に支障が出るくらい眠い。仕事を終えても眠いので生活もままならない。

これを書いていてもまぶたが落ちそうで、頭も回らないのでたいしたことも書けない。異動するだけでなく、個人的にもいろいろとやることのある時期なので結構困る。生きていればそういうときもあるとは思うけど。春の空気が私を不安定にする。

水温む出勤したくないといふ (荒井八雪)