2023年1月24日 火曜日

朝六時頃に目覚める。早すぎる。しかしそれなりによく眠った。早めに始業する。

午後、仕事の調べ物のため国立国会図書館へ。大学の図書館がかなり充実していたのでこれまで使う機会はなかった。先日、デジタル化資料の個人送信を利用したいなと思って仮登録だけ済ませており、身分証明書の画像を送信するか直接図書館へ行くことで本登録となって資料を閲覧できるのだが、まあ近々行こうと思って放置していたら仕事で行く機会ができたのでラッキーだった。

途中雑な居酒屋でびっくりするほどおいしくないカツカレーを食べ(食後にコーヒーが出てきて煙草が吸えたのはよかった)、地下鉄に乗る。最強寒波襲来と天気予報はさかんに言うもののむしろ春めいた陽気で暖かいなと思った。

国会議事堂前で降りる。相変わらずこの辺りは仰々しい雰囲気。いつだったか、京都から友人が来たとき、京都や大阪になくて東京にあるものはなんだろうと思って国会を見せたことがある。港区や千代田区で働いているエスタブリッシュメントならいざ知らず、実際には都民でもこの辺りに来ることはあまりないと思う。少なくとも私の生活圏に入ったことはない。

国会図書館で身分証を提示して登録を済ませる。館内には鞄は持ち込めないので、パソコンと資料と筆記用具、それから携帯と財布を除いてコインロッカーに荷物を預ける。半透明の、ビニールのバッグが大量に置かれていてそれを使う形。

広々とした館内にはほとんど本はなく、その代わり大量の利用者端末が置かれていて、それを使って資料を請求したり複写を申請したりする。公のものにしてはかなりシステムが洗練されている。迷いどころが少ないし、効率的である。ここはかなり良い空間だと思う。

働いている人の服装も自由だし、なんなら複写カウンターのお姉さんはインナーカラーまでしていてかなりよかった。カウンターまわりはアルバイトなのだろうか。ここでバイトするのはよさそうだな。利用者も利用者で、真剣に調べ物をしている人もいれば、娯楽として本を読んでいるであろう暇そうな人もいて、この感じは大学に似ている。喫煙所がないのだけが残念である。

調べ物を一通り終えるとちょうどよい時間で、早めに始業したので早めに退勤しておく。帰り道、逆方向だがついでに銀座に寄る。国会議事堂前から銀座までは丸ノ内線で二駅。風がものすごく強くて最強寒波の名に恥じぬ寒さになっていた。

『写真』という、まったく検索の難しい名前の雑誌があって、最近その存在を知ったのだが最新号が出たとかで、銀座の蔦屋書店に取り扱いがあるというので確かめに行く。外は寒いのだが、店内では厚着をしていたせいかすごく暑くて微妙に体調が悪くなる。

雑誌は2号と3号だけ置かれていて、それらを読んだ結果これはよいものだと思ったが、1号がテーマとして一番興味があるのに置かれていないので、インターネットで調べたら版元のオンラインショップにわずかながら在庫があるようだったのでそちらを買うことにする。

店内をふらつくと任航(レン・ハン)の写真集があった。規制の厳しい中国本土でヌードを撮っていた写真家で、数年前に若くして自殺した。私は彼が好きで、彼が使っていたという噂のあるフィルムカメラを買ったくらいだが(しかしごくふつうのコンパクトカメラである)、相変わらず写真がよい。しかしこの国でも、性器の直接的な描写は法律に違反する場合もあることを思わずにはいられない。

鳩居堂や伊東屋も冷やかしたかったが、荷物も重いし疲れたので帰る。MIKIMOTOって創業者が御木本でよかったよな、田中だったら今ほど名誉あるブランドだっただろうか、とか田中さんに失礼なことを考えながら地下鉄に。田中貴金属もあるし大丈夫なのかもしれない。晩ご飯を自炊しようかなと近所のスーパーに寄ってみたが、面倒なので惣菜の油淋鶏とサラダだけを買う。本当に凍えるくらい寒い。家に着いてから『写真』の1号を注文した。