2023年1月20日 金曜日

朝から何も食べずにいたら、昼の三時すぎになって突然猛烈にお腹が空いて、動けなくなったがなんとか気力を出して外に出る準備をして、てんやに向かう。天丼ではなくうどんの単品と天ぷらをいくつか頼む。道中懐かしい匂いがして、何かと思ったら道端で香水をつけた男が煙草を吸っているのだった。両親ともに香水をつけ、煙草を吸う人たちだったので、それらが入り交じった匂いはどうも懐かしく感じられるらしい。幼き日の思い出。私自身は、煙草は吸うが、香水をつける習慣を興味はあるものの持っていない。

帰り道、腰のひん曲がったお婆さんが、歩行器を使ってゆっくりと歩いていた。家までどれくらいあるのだろうなと思いながら追い抜くと、良い運動になるね、と存外はっきりした声で彼女は言った。

さしてやることもない仕事を終えて、飯田橋に向かう。飯田橋の友人宅で、高校の後輩たちと宴の予定があった。以前、高校の同期である友人が映画を撮る手伝いをしたことがあるのだが、同様にそれを手伝ってくれたり出演してくれたりした後輩たちと、久しぶりに会う。我々が高校三年のときの一年生たちがもう大学を出て就職するらしい。この家でつるんでいる我々の同期は、浪人したり休学したり修士に進んだりして、まだ就職していない人の方が多い。というか働いているのは私くらいかもしれない。

その後輩たちと会うのは半年ぶりか、それ以上くらいだったと思うが、特に何も変わっていなかった。いい会だったが、残念ながら途中で抜けて別件にはしごする。そちらも高校の同期。どんだけ高校のつながりが維持されているんだ、ほかに友達はいないのか、と思うが、大していない。私が高校に通っていたときに面識を得る可能性があった人たち(つまり二個上から二個下まで)だけで千五百人くらいいるのでなかなか掘り甲斐はある。いずれにせよ、そういうつながりを維持できているのはありがたい話だなと思わされる夜だった。