2023年1月14日(土) Obsidian、メラトニン、市ヶ谷

昨夜から恋人が泊まりに来ていた(ので昨日日記を書けなかった)。夜、豚肉と白菜のミルフィーユ鍋なるものを食べて、映画の『パプリカ』を見た。以前、筒井康隆の原作を読んだが映画の方は初めて見た。正直原作の筋ももう曖昧なのだが、こんな話だったっけと思う。しかし原作も映画も好き。恋人は昼過ぎに帰って行った。ついでにどこか行こうかと思ったけれど、事前の予報に反して大して暖かくならず、雨だったので家に引きこもる。


午後、Obsidianを導入する。PKM(Personal Knowledge Management)に以前から関心があり、ScrapboxとかEvernoteとかHackMDとかそのための道具をいろいろと導入してきたのだが、いずれも一長一短という感じで、中途半端な利用に留まっていた。Obsidianも気になっていて、機能的にはこれはかなり自分の要求を満たしているなと思ったのだけど、ちょっと導入のハードルが高いのでしばらくためらっていた。

いざ入れてみると、これはかなり素晴らしい感じがする。ただ、Obsidianのメモは、単なるローカルに保存されたMarkdownファイルで、それが長所(=Obsidianが仮に開発停止になっても、データは活用できる)でもあるのだけど、データがクラウドにあったりするわけではないので複数端末での利用に課題が生じる。

私用のコンピュータはMacで、携帯はiPhoneなので、それらだけ同期するならiCloudにデータを保存しておけばよい話だが、会社のマシンがWindowsで、もちろんそこでもメモを取りたい。WindowsでもiCloudは使えるが、どうも挙動に問題があるらしい。Obsidianが公式でクラウドの同期サービスを用意しているが、有料なので、とりあえずこの記事を参考にしてSelf-Hosted LiveSyncというプラグインで対処することにした。

その過程でもIBM Cloudantに必要なアカウントを作成できなかったり、その代替となるFly.ioの設定でつまずいたりと、いろいろとトラブルがあったのだが、その辺のことは後日Obsidianをしばらく使ってから文章にまとめられたらよいなと思う。Obsidianは(たとえばNotionなどに比べて)いささかとっつきにくい。これでも私が最初に見たときより随分使いやすくなったと思うけれども、わりとなんでも自由にできる代わりに、コンピュータに詳しくない人にはちょっと難しい部分があるな。しかし、iPhoneアプリがほとんどデスクトップと変わらない機能/使い勝手なのはかなり感動した。

Obsidianのメモをどう整理していくかという点も、Zettelkastenとかいろいろなやり方があるようだけど、とりあえず最初はDaily Notesとフォルダ分けで運用していく予定。

普段、本を読んだり、ネットの記事を見たり、あるいは現実にもいろいろなことを見聞きするわけだけど、それらは頭のどこかには残っているのかもしれないが、なんとなく入っては出ていくような印象があり、それらを留めて活かす方法としてのPKMに関心があった。三日坊主に終わる可能性も大だが、一度セットアップしてしまえば一山越えた感じで、とりあえずDaily Notesにメモしていくだけでも違うだろうし、携帯でもかなり良い感じに使えそうなので、しばらくObsidianでやっていきたい。


そのあと、早速Obsidianにメモしながら、非24時間睡眠覚醒症候群(Non-24)について調べる。睡眠外来にかかるのが最善だとは思うが、診断を受けるにも検査やら毎日の睡眠記録やらが必要っぽく、それをやるのはお金も手間もかかるゆえ最後の手段にしたいので、論文を読んで治療法を確認する。

Non-24は一般に全盲者に多い病と言われ、Non-24なのかどうかも実際のところわからないのだが(たとえば睡眠相後退症候群かもしれない)、いずれにせよ概日リズムを整えるのに低用量のメラトニンは効果があるよう。私が読んだ論文では0.5mgのメラトニンを、午後の遅くから夕方に投与するのがよい(あくまで全盲者向けの記述だが)ということだったが、税関で止められそうな量のもの——日本では、メラトニンの個人輸入は2カ月分までに制限されているらしい——しか見つけられなかったので、0.75mgのものをiHerbで購入する。これでどうなるか一度試してみたい。


今日は気圧のせいかなんとなくぼんやりとだるい感じで、無闇に眠いし、文章がうまくまとまらない。経験的には、気圧のせいというのはある気がするし、それを訴える人も多いけれど、誰かも言っていたがじゃあ標高の高い軽井沢に行ったら不調になるのかという話で、実際どうなんだろう。

友人が、はてなブログのトップページで先日の吉祥寺の記事が紹介されていることを教えてくれた。道理でやけにスターがついたわけだ。スパムというか自分のブログの宣伝目的っぽいスターも結構あるけれど、いずれにせよどこで見つけたのだろうと思っていた。記念にスクリーンショットを撮った。


ずっと家にいるのもなんだったので市ヶ谷方面に散歩へ行くことにする。バスに乗り、市ヶ谷で降りる。珍しくバスで酔う。

文教堂を冷やかした後そのまま麹町方面に歩く。

途中、市ヶ谷女子学生ハイツなるものがあり、二階堂奥歯よろしく、地方から東京の大学に出てきた良家のお嬢さんが親の言いつけで住むような場所なのであろうと想像する。この辺は千代田区n番町(nは漢数字、1≦n≦6)という地名で、総称して番町と呼ばれる。江戸時代に将軍を警備していた旗本が一番組から六番組と呼ばれていたことに由来し、いまでは由緒ある高級住宅街である。No.4という店を見つけて住所を確かめると、やはり四番町なのだった。

日テレ番町スタジオがある方向に曲がってみる。日本テレビは、20年ほど前までいまの汐留ではなくこの辺りに本社を構えていたという。フジテレビも昔は河田町にあったが、在京の民放テレビ局はいまではすべて港区に本社がある。スタジオの隣は女子学院。土曜の夜というのに門に併設された警備員室は灯りがついていた。宿直でもいるのかもしれない。私の出た都立高校は休日の夜でも門がちょっと開いていたりしたが、名門私立女子校と郊外の都立高校ではセキュリティのレベルが異なるのも無理はない。

適当に元の通りに戻るべく引き返す。東京グリーンパレスにはなぜか機動隊の車が止まっており、向かいの道路には警察官が見張りとして立っていた。なにかあるのだろうか、と思って地図を見るとイスラエル大使館が近くにあり、そのためだろうか。

この辺りは都心とは思えない空地の多さだが、日テレの土地で、建物を建て直すまでの暫定利用としてコインパーキングになっているらしい(Wikipedia情報)。

麹町駅付近で一番町の方向に曲がる。この頃にはすっかりバスで生じた気持ち悪さはなくなり、眠気まで醒めていた。窓も開けずに家に引きこもっていたから空気が悪かったのかもしれない。私は部屋を換気する習慣を持っていない。

番町ではセブン-イレブンも洒脱になる。

番町にも100円自販機はある。

番町にも児童館はあり、公衆電話も置かれている。

一番町の交差点は靖国通りの方向に曲がる。

大妻女子大学を抜けるとすぐに靖國神社が見えてくる。これまで参拝したことはなく、これからもおそらく自発的に行くことはないだろう。靖国通りを市ヶ谷駅の方面に進んで戻る。

途中、なか卯でうどんを食べる。お腹は空いたけれども昼とも夕方とも言えない時間にご飯を食べ、そこまで時間が経っていないし元々小食なので、「小」を頼んだら想像より小さく、並でよかったなと後悔する。どうもワンオペなのか、二十分くらい待たされたが一分で食べ終わった。

市ヶ谷駅につき、外濠のあたりの雰囲気を楽しんで帰る。私が住んでいるあたりから一番近い水辺が外濠で、実家に住んでいた頃多摩川にすぐ行けたことは贅沢だったのだなと今更思う。帰りはドコモの自転車を借りて家に戻る。

散策の経路は以下。